too much
「ストラップ」side雪彦
「島本…昨夜、あれからどうだった?」

席に着いたら、相川が傍にやって来て声をかけられた。



「あれから…って?」

「だ~か~ら~…
帰りだよ、帰り。」

「べ、別に何もなかったよ。
電車の中でもあゆと平川さんが座って、僕は扉の前で立ってたし。」

「そっか…なら、良いんだ。
三人でお茶でもしに行ったのかなって思ったから。」



相川の今の言葉…
まさか、平川さんから昨夜のことを聞いたんだろうか?って、ドキドキした。



「あれ?平川さんから聞いてないの?」

なんともないふりをして、訊ねてみた。



「それが…昨夜何度もLINE入れたんだけど、全然返事がないんだよ。」

「へぇ…どうしたんだろね?」

「前もLINEに気付かなかったって言ってたから、今回もそうかもしれないな。
美穂ちゃんって、けっこう抜けてるんだよなぁ…まぁ、そういうところも可愛いんだけど。」

「そっか…」



良かった。
とりあえず、まだ今は言ってないみたいだ。
だけど、問題はこれからだ。



もし、平川さんが昨夜のことを言ったら、認めるしかない。
昨夜は具合が悪くて、良く覚えてないとか、言うのを忘れてたって言えば良い。



(うん、そうしよう…)
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