社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
「長嶺、ほら。」


「奥寺、ありがとう。」



同期と飲む時は最後にウーロン茶を頼む。


その様子に舌打ちが隣から聞こえてくる。



「長嶺、さっきの話は頼む。友達紹介して。」


「さっきの話?」



社長の低い声に苦笑いで答える。



「奥寺が私の友達を紹介してって。」


「合コン。」



奥寺の言葉に社長の視線が鋭くなる。



「合コン?」


「………奥寺達とね?」


「許可はしない。」



社長の言葉にチラリと奥寺を見た。



「社長の許可が出たら頼む。」


「俺は出さない。」



不機嫌な社長に私と奥寺の目が合う。



「長嶺、愛されてるな。」


「…………。」



奥寺の言葉は凄く嬉しい。


今、社長が好きなのは私だ。実感もしている。



だけど先は見えない――――



でも今は社長と一緒にいたい。



これは私の本心だ。
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