社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
『長嶺、話がある。

一緒にランチに行くぞ。

二ノ宮健人』


『いやいや、ランチは無理です。

帰ったら携帯に連絡します。

長嶺花菜』


『無理の意味がわからない。

二ノ宮健人』


『同期と食べるので。

それに他の人に見られます。

長嶺花菜』


『別に見られても平気だ。

二ノ宮健人』


『兎に角、ランチは無理です。

帰ったら携帯に掛けます。

長嶺花菜』


『絶対に掛けろよ。

二ノ宮健人』



社長と社内メールをしているなんて誰も思いもしないだろう。



「長嶺さん。」



突然、背後から呼ばれて、驚きに勢いよく振り返れば、長谷川さんが立っていた。



「ははっ、驚かせた?」


「いえ。長谷川さん、何ですか?」


「これ社長から。」



こっそりと渡されたメモに私は息を飲んだ。
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