社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
『花菜へ業務連絡だ。

一緒に帰るぞ。

二ノ宮健人』



私はチラリと長谷川さんを見上げれば、ニヤニヤと私を見下ろしていた。



「じゃあ、長嶺さん頼んだよ?」


「えっ?あっ、はい。」


「ご機嫌がイマイチなんだよね?」


「…………はい。」



私の声が段々と小さくなっていく。



「長谷川さん、これ見ましたよね?」



視線をメモに向ければクスリと笑われた。



「勿論。社長の指示ですから。」


「ははっ、そうですよね。」



長谷川さんが背を向けて歩いていく後ろ姿を目で追う。



「長嶺さん、長谷川さんと何かあるの?」


「ありません。ただの業務連絡です。」



興味津々な清水さんに微笑んだ。


長谷川さんから貰ったメモを丸めて机の中に押し込んだ。



「あやしい。」


「何もないです。さっ、仕事をがんばらないとな。」



話を逸らして、自分の仕事に取り掛かった。
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