社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
「長谷川さんは彼女いるんですか?」



ターゲットが長谷川さんに移った。私も長谷川さんのプライベートは気になる。


社長の奥の長谷川さんを覗き込む。



「彼女いるんですか?」



気になるのは彼女の存在らしい。私もじっと長谷川さんを覗く。



「花菜、気になるのか?」



聞こえてきた声にチラリと社長を見上げた。



「気になります。」



素直に答えれば、社長の愉しそうな笑みに眉間の皺が寄る。



「俺?」


「はい。」



興味津々な皆に混ざり、私も長谷川さんを見つめた。



「花菜、覚えておけよ。」



ボソリと聞こえた声に社長を見上げたが、知らん顔でビールを飲んでた。


私は空耳と思い、長谷川さんに視線を戻した。



「彼女はいるよ。」


「えっ、やっぱりいるんですね。イケメンで仕事も出来て………彼女がいない方が無理ですよね。」



その同期の呟きに私も大きく頷いていた。
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