社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
「なら、社長も彼女がいたんじゃない?」



奥寺の言葉に皆の視線が一斉に向けられる。勿論、私も例外ではない。



「ん?俺?」


「社長も長嶺に乗り換えたとか?」


「社長は彼女いたんですか?長嶺と付き合う前まで。」



私も同意見だ。


これだけのいい男に彼女がいない訳はない。



もしかして二股?


いや、社長の彼女なら大人っぽい素敵な女性だろう。


私が遊ばれてる?



ふと頭の中で嫌な方に考えが陥っていく。



「俺はここ一年ぐらいは彼女いなかったよ。」


「ええ~、本当ですか?」


「本当。だから長嶺に告白したんだし。」



私の頭を撫でる手に隣を見上げた。



「俺は花菜だけ。」


「花菜だけだって。社長、友達を泣かせないで下さいよ。」


「当たり前だ。泣かせない。それに遊びで社内恋愛なんてしない。」


「まあ確かに。」



あゆみが大きく頷いている。
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