社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
「社長、本気ですよね?」



奥寺の言葉に社長が奥寺を鋭く見つめた。



「勿論。奥寺も花菜に手は出すなよ。」


「………。」



黙り込む奥寺に藤村が奥寺の肩を叩いた。



「奥寺はおっちょこちょいの長嶺を心配してるんです。長嶺はふわふわしてるから。」


「そうか。」



藤村が奥寺の肩を抱き寄せた。社長が私の肩を抱き寄せれば、またざわめき立つ。



「本気だから。」



耳元で聞こえる社長の呟きに頬が弛む。


凄く嬉しい。


私の中で社長への想いが大きくなっていく。



「花菜、幸せそう。」



あゆみの言葉にニヤニヤが止まらない。



「もう幸せを分けろ。」


「あっ、ちょっと。」


「花菜、新しいのを頼んで。」



私の飲み掛けのチューハイをあゆみが飲み始めた。私はクスクスと笑えば、社長の手が髪を撫でる。


幸せを感じる。


健人さんの温もりが心地好い。
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