社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
坂本さんの指示で明日の午前中迄に納品する事になった。



「長嶺、落ち込まない。誰にでもあるって言われたでしょ。」


「はい。」


「一人で大丈夫?」


「はい。明日、レビューをお願いします。」


「わかった。坂本さんと二人で見るから。頑張ってね。」


「お疲れ様でした。」



夜も22時を過ぎた頃、清水さんが帰っていった。私は障害の修正を行い、テストまで終わらせないといけない。


黙々と作業を進めていた。



「長嶺。」



聞きなれた声に振り向いた。



「社長。」


「徹夜か?」


「ですね。社長はお先に………。」


「坂本。」



辺りを見渡せば、残っているのは坂本さんだけだ。私の為に残っていてくれてるんだとわかる。



「はい。」


「俺が残る。坂本は遅いから帰れ。」


「社長に残ってもらう訳には………。」


「坂本は明日も忙しいだろうから。それに長嶺となら残りたいし。」
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