社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
黙り込む坂本さんを見る。



「長嶺、ちゃんと明日には出来るか?」


「はい。」


「仕事しろよ。社長も仕事の邪魔はしないで下さいよ。」


「坂本、わかってる。システム統合のテストでの障害だろ?重みはわかってる。」



坂本さんが大きな溜め息を吐いてから、帰り支度を始めた。



「坂本、お疲れ。」


「社長、すみません。早めに出社します。」


「ゆっくり来い。」



クスリと笑う社長に頭を下げて坂本さんが帰っていく。



「坂本さん、お疲れ様でした。」


「長嶺、頑張れよ。」



坂本さんに挨拶をし、背を向けて帰っていく坂本さんを見送る。


隣に立つ社長を見上げる。



「社長、すみません。」


「いいよ。俺も少し仕事をしてくる。後でまた来るから。」


「はい。」



社長が優しく頭を撫で、社長室に向かって戻って行った。


再びPCに向かい、作業を黙々と進めた。
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