社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
二人で夜中の街を歩く。誰も私達が仕事で徹夜するなんて思ってもいないだろう。


そう想うと笑えてくる。



「花菜は何を笑ってる?」


「きっと誰も私達が仕事で徹夜なんて思わないだろうなって。」


「俺は違う徹夜なら歓迎だが。」


「…………。」


「何か言えよ。」



手を繋ぎ歩く私達はデートをしていると思われているだろう。


恋人に見えてるだろうか?



「私達って恋人に見えてる?」


「当たり前だろ。花菜は俺が歳を取ってるって言いたいのか?」


「違います。ただ………。」



言おうとした言葉を飲み込んだ。こんな事を言うべきじゃないと思ったから。


でも――――。



「花菜、言いたい事は言え。俺も気になる。」


「…………。」


「花菜?」



立ち止まる健人さんに私も足を止めた。


視線を感じて見上げれば、健人さんと視線が交わる。



「花菜?」


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