社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
空いてる会議室でコンビニで買ってきた夜ご飯を食べる。


隣に座る健人さんも弁当を食べ始めたが、すぐに箸を置いた。


その様子に健人さんを見上げる。



「あの日、実は何もなかった。ってか、泥酔してる花菜に何かするわけない。」


「えっ?」



突然、話し始めた健人さんを見つめる。健人さんの視線はじっとコンビニ弁当を見つめている。



「あの日、花菜が元彼にフラれて泥酔してるの見てたら………俺、悔しくなって。」


「悔しく?」



コンビニ弁当を見つめていた健人さんの瞳が私に向けられる。交わる視線に息を呑む。



「俺は花菜が好きだった。最初は可愛い子が入社したぐらいだった。」


「…………。」


「歳も10コも下だし、本気で好きになる事はないと思ってた。」


「うん………。」



健人さんの話をじっと瞳を見つめて聞いていく。



「いつからか………花菜が気になって仕方なくなってた。プロジェクトで接する機会が増えて余計に気持ちが大きくなって。」
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