全ては、此処から始まる-真夜中の月-。
それから暫く車は走り、やがて一つのマンションのロータリーで停まった。
「嘉、」
「ん」
車から降りて、嘉の手を引いてエスコートする。俺の手を借りてゆっくり降りた嘉は、紫外線の強い鉛色の空を眩しそうに見上げた。
「青空だったら良かったのに」
ぽつりと零した嘉。そうだな、と返すと、意外な言葉が返ってきた。
「前沖縄に来た時も、青空じゃなかったんでしょ」
(え、)
その言葉に驚いた。
それは《強奪者》との
