傍観者-RED ROAD-
このとんでもないハイテンションなこいつの名前は、天月妃七(あまつき きな)という。月姫の従姉妹で、盲目の月姫の手伝いと称して毎日マンションに通っている。私と同い年だが、月姫と同様学校には通っていない。
テンションの他にも、こいつには幾つかの問題がある。一つ挙げるとすれば、毎度呆れるファッションだ。ファッションのことには世界の中でも疎い方に入るだろう私が見ても、首を傾げるようなぶっ飛びファッション。何をどうと訊かれても『何もかも』としか答えようがない。とにかく奇抜で派手で変だ。一緒に歩きたくない部類に入る。
それに加えて、最早呆れることも馬鹿馬鹿しくなってきたハイテンションをくっつけてまのだ。しかも、月姫と一緒に住むようになってほぼ毎日。こういうタイプを苦手とする私にとって、この毎朝のやりとりは勘弁してほしいものだった。
私は主人に餌をねだる犬のような目で私を見る妃七を無視し、洗面所に向かった。早いところ支度を済まさないとバスに乗り遅れてしまう。
「………」
顔を洗い、血の気のない真っ白な自分の顔をぼんやりと鏡で眺めながら歯を磨く。伸ばしっぱなしの漆黒の髪は、いつの間にか腰のあたりにまで届くようになっていた。
テンションの他にも、こいつには幾つかの問題がある。一つ挙げるとすれば、毎度呆れるファッションだ。ファッションのことには世界の中でも疎い方に入るだろう私が見ても、首を傾げるようなぶっ飛びファッション。何をどうと訊かれても『何もかも』としか答えようがない。とにかく奇抜で派手で変だ。一緒に歩きたくない部類に入る。
それに加えて、最早呆れることも馬鹿馬鹿しくなってきたハイテンションをくっつけてまのだ。しかも、月姫と一緒に住むようになってほぼ毎日。こういうタイプを苦手とする私にとって、この毎朝のやりとりは勘弁してほしいものだった。
私は主人に餌をねだる犬のような目で私を見る妃七を無視し、洗面所に向かった。早いところ支度を済まさないとバスに乗り遅れてしまう。
「………」
顔を洗い、血の気のない真っ白な自分の顔をぼんやりと鏡で眺めながら歯を磨く。伸ばしっぱなしの漆黒の髪は、いつの間にか腰のあたりにまで届くようになっていた。
