送り主のない手紙





今日もまた、私はマンションへ帰るとき201と書かれた箱を開いた。塗料が剥がれているせいでざらりと錆びた鉄が肌をなぜる。少し不快だ。


エントランスに入って来たマンションの住民が不思議そうに私を見ている視線が背中に刺さる。


やっぱり今日も、箱の中には空虚だけがしめていた。








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