君と、ゆびきり
勘違い
あたしは大きな勘違いをしていたのかもしれない。


あたしが151回も同じことを繰り返しているということは、何かを変えられる力があるからだと思い込んでいた。


だけど風はあれから体調を崩したまま、ベッドから起き上がることすらできなくなっていた。


じゃぁ、一体なんのために?


そんな疑問が浮かんでくる。


あたしは一体なんのために繰り返しているの?


ジッとビーズの指輪を見つめる。


風との約束を果たすため?


風と高校を卒業するため?


だけど、風の体調は戻らない。


このままじゃ、風と一緒に卒業なんて……。


そこまで考えて、強く頭をふって考えをかき消した。


そんなことはないはずだ。


未来はきっと変えられる。


だからこそ、あたしはこの奇妙な世界に入り込んでしまったに違いない。


自分自身にそう言い聞かせて、あたしは眠りについたのだった。
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