君と、ゆびきり
告白
パーティーは夕方まで続き、帰るころには暗くなっていた。


「じゃぁ、またね」


玄関まで見送ってくれた玲子に手を振り、歩き出そうとする。


「待って千里。もう暗くて危ないから、青(アオ)に送ってもらいなよ」


玲子がそう言い、部屋に残っていた青を急かして外へ連れ出して来た。


安本青(ヤスモト アオ)。


サッカー部のエースで、女子生徒に人気のある生徒だった。


「え……でも……」


あたしはしどろもどろになって青と玲子を交互に見る。


「遠慮しなくていいよ。家、方向同じだろ?」


その言葉にあたしは驚いて青を見た。


どうして青がそのことを知ってるんだろう?


あたしは青の家がどこにあるか知っている。


だって、中学2年生になってからずっと青の事をみていたから。


「じゃぁ、2人とも気を付けてね!」


混乱しているあたしをよそに、玲子は元気に手を振ってさっさと玄関のドアを閉めてしまった。
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