拾われた猫。Ⅱ

判決

◇◆◇◆◇


「クソッ!!!!」


新八が格子を殴りつける。

大きな音に向かいに入っている隊士達がビクリと肩を揺らす。


「…落ち着け」

斎藤が新八を宥めるが、治まることを知らない。


「これが落ち着いてられるかよ!

前線で戦った俺たちが牢屋なんて、失礼にも程があんだろうが!!!」


怒号が鳴り止まないのを見て、兵士が「静かにしろっ!」と遠くから声を飛ばす。


赤木とかいう女に倉庫のような建物に追いやられていた俺たちは、命令違反の末前線で戦った。

命令違反は頂けないが、牢に入れられる程のことでは無い。


腕に巻かれた包帯に触れる。


「佐之もそう思うだろ?!!」


尚も落ち着かない彼に名前を呼ばれ、ゆっくりとそちらを向く。


「それはそうだが、ここで暴れても仕方ねぇだろうが」


眉を下げ、軽く笑う。


そんな俺を見て、肩を落とす。

俺と斎藤の正面にドカッとあぐらをかいて座ると、膝の上に頬杖をついた。


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