拾われた猫。Ⅱ


機嫌の悪い二人からは冷ややかな視線を受ける隊士。

見ていられなくなった藤堂平助はとりあえず二人を落ち着かせた。


「それで、これ以上どうしたって言うの?」


沖田総司は呆れながら彼に問いかける。


彼は視線を泳がし、俯きながら答える。



「〝近藤局長の打首と新撰組の解体〟が決められたそうです…!!」


決意したように彼らの顔を真っ直ぐ見据え、答えた。



「………………は?」


沖田総司がやっとの思いで声を絞り出す。



三人の顔が自然と険しくなる。



「何がどうなったらいきなりそうなりやがる!!」


土方歳三は感情のまま地べたを殴りつけた。

報告に来た隊士は小さくなる。


「近藤さんの打首?

罪状は何な訳?」


殺気を垂れ流す二人に震えながら隊士が答えた。



「ざ…罪状は、〝罪人解放〟…と、〝反逆〟…です…」


〝罪人解放〟…、その〝罪〟には三人が三人、同じ人物を思い浮かべていた。


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