イジワル社長は溺愛旦那様!?

(なんで……なんか今日、すごい……)


ラブホテルの大きなベッドの上で、何度か意識を飛ばし、ぼうっとする頭で湊を見上げると、彼は色っぽい眼差しで夕妃を見つめながら、

「こんなふうに俺に愛されて乱れる夕妃を、今日はずっと眺めていたい」

と、恐ろしいことを口にした。


(ずっと……?)


「ちなみにこれは、俺の詫びの気持ちでもあるんだ……だからいつもより心を込めて、じっくりと、きみを愛そうと思う」


(心を込めて……じっくり……って、これ以上に!?)


夕妃は耳を疑った。

なんとこの、永遠に続く快感は、湊なりの詫びの気持ちらしい。流れからして、桜庭に嫉妬したことへの謝罪なのだろうが、やられていることを考えると、まったく詫びだとは思えないし、いい加減どうにかなりそうだ。


「もう……あの……もう」


なけなしの理性をかき集めて、目で訴える。

だが湊はにっこり笑って、首を振ると、夕妃の額にキスを落とす。


「愛してるよ、夕妃」
「わたしも……すごく、あい、してるけど……もう……んっ……」


もう謝らなくていいと言いかけた瞬間、湊がまた夕妃の唇を塞ぐ。


明日の仕事は大丈夫だろうか……。

夕妃はかなり不安になったが、湊に何度か突き上げられて、あっという間に人間らしい言葉がどこかに吹き飛んだ。
湊の謝罪を受け入れる以外に、今はなすすべがなかった。



夜は長く――。

そして――湊と夕妃の上司で部下で、夫婦の関係は今も続いている。



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