美形鬼社長は、フランス人形に溺愛中!?
まだ心臓がドキドキと鳴っている。
『でも、どうして私のところに?』
私は、キティに嫉妬までしたのに……。
自分でも最低だと思うのに。
『それは、あなたが心配だったからよ。
彩人はね。あの人から、ケイティを守るために
あんな酷い言い方で言ったの』
えっ?
私を守るために……?
『それって、どういうことですか!?』
何で、それが私を守ることになるのだろう。
意味が分からない。
そうしたらキティは、
『あの人……一条寺美千香はね。
自分以外で彩人に近付こうとする女を片っ端から
排除してくるからよ!』
排除!?
えっ?
それって社長に好意を持っている女性を
邪魔しているってことだろうか。
『ほら彩人は、昔からモテるから。
一条寺美千香は、親が決めた婚約者である彩人を
好意を抱くばかりか、自分の持つ財力や知力を使って
あらゆる手で使って邪魔をしてきたわ。
自分の手を汚さないから本当にタチが悪いのよね』
『私のことも気に入らないみたいだけど
まだ人形だし、彩人の手元に居るから
大丈夫だけど……問題は、あなた。
彩人が秘書としてだけではなく
私そっくりな姿をしているケイティを見たら
激怒するどころか
下手したら危ない目に遭うのではないかと
心配して……突き放す言い方をしてしまったのよ!
さすがに人形同類だと思わせれば手出ししないと
思ったのでしょうね』
そう言って教えてくれるキティ。
社長が、そんなことを考えてくれてたの?
私の身を案じて……。