美形鬼社長は、フランス人形に溺愛中!?

なんだ……真実が分かるとホッとする。
それに凄く嬉しかった。

『彩人は、けして
あなたを人形にしたい訳ではないの。
そりゃあ、私に似てるから
ちょっと間違った方向になっちゃうけど……。
でも、彩人が私以外の女性に興味を持つのは、
初めてのことだから分かってあげてね?』

『あなたが、彩人を変えられる。
私は、あなたに期待をしているの。
だから、諦めないで……私に嫉妬しても構わないから』

キティは、優しい口調で言ってくれる。

それに対してまた涙が溢れてきた。
キティは、私があなたに嫉妬をしているのに
気づいていた。

それなのに……。

私に優しく接してくれるキティに
酷い嫉妬してしまった。

それが嬉しくて申し訳ない気持ちになった。

『ごめんなさい……キティ。
私……あなたに……』

『いいのよ。ケイティ。
好きな人が、他の人にベッタリになっていれば
誰だって嫉妬するものよ。
私も悪いの……あの子をついつい
甘やかしてしまうから。
もう少し大人になってもらわなくてはね』

そう言いながらキティは、フフッと笑った。

キティは、優しくて温かい。
だから社長も彼女にベッタリになって
しまうのかもしれない。

まるで恋人ってより……母親のような感じで
社長に接していた。

キティを連れて社長に戻った。
すると社長は、真っ青な顔して私達ごと
抱き締めてくる。

『キティ。一体、何処に行っていたんだ!?
突然居なくなるから心配したではないか』

相変わらず真っ先に彼女の方を心配していた。

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