恋愛白書
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「丈、さっきやしな見かけたけど」


帰り。
神谷と一緒に歩く。


「んー。お前来る前にいたからな」

「話してたの?」

「ああ」


俺は空を見上げる。


やしなとこんな空の下でキスしたなとか。
そんなことを思い出す。


「てかさ、なんで呼び捨てしてんの」

「は?いつの話してんだよ」


神谷が笑う。


「夏休みぐらいから呼び捨てでむかつく」

「そんな嫉妬むき出しにするならちゃんと捕まえとけよ」

「んなの、わかってんだよ」


俺はその場に座り込む。


「俺にとられたくないなら早くしろよ。見てらんない」

「とられてたまるかよ」


やしなは俺のなんだから。


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