チューリップ



「及川、悪いけど…」

「あの日梨華が何で階段から落ちたか…知ってる?」

及川は俺の言葉を遮った。


「喧嘩した…って聞いたけど。」



「その喧嘩の理由は?」

「いや、それは…。」


「梨華はね、あなた達を守ろうとしたんだよ。」


俺達を守る…?


あの傷は俺達を守ったために負ったのか?


「私たちは屋上を出て、職員室へ向かう途中だった。


すれ違ったの、あなた達のことを悪く言う人たちと…」





『つーかマジ6組が勝ち上がるとかありえねぇー。』

『な!!川崎とか岡本とか、突然真面目になりだしたと思えば今度はサッカーかよ。』

『あ゛ーマジでウザいんですけど!!決勝潰すかー!?』

『乗った♪とりあえず喧嘩ふっかければ不戦敗だろ♪』



『ちょっと待って!!!

みんな今日まで頑張ってきたの。
そんなこと絶対にさせない!!』





「そしたらその人達が梨華を突き飛ばして…


だから梨華には処分は下らなくて、その人達は停学処分を受けてる。」



何だよそれ…


何やってんだよ…


そんな小さな体で勝てる訳ないだろ…?




また

俺達はお前に守られてたんだ…。
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