チューリップ
「今日から、朝と帰りのHRを岩城先生にやっていただきます。
お願いします。」
前々から打ち合わせをしていたように、皆に説明する。
今日から…
これは間違いになるのかな…。
岩城先生は本当にこの学校から、リュウの前からいなくなるつもりなの?
明日から、また今までみたいに離れて、逃げてしまうの?
2人がおかしいと寂しいと感じているのに…
教室の端で生徒たちを見渡す。
皆、岩城先生の方を向いて先生の話を聞いている。
リュウだけが頬杖をついて視線を床に落としている。
今、あなたは何を思ってる?
私はそれが妬みとか恨みとか
悲しい思いじゃないことを願わずにはいられないよ。