チューリップ


「今日から、朝と帰りのHRを岩城先生にやっていただきます。
お願いします。」


前々から打ち合わせをしていたように、皆に説明する。


今日から…
これは間違いになるのかな…。


岩城先生は本当にこの学校から、リュウの前からいなくなるつもりなの?
明日から、また今までみたいに離れて、逃げてしまうの?


2人がおかしいと寂しいと感じているのに…




教室の端で生徒たちを見渡す。

皆、岩城先生の方を向いて先生の話を聞いている。


リュウだけが頬杖をついて視線を床に落としている。




今、あなたは何を思ってる?



私はそれが妬みとか恨みとか
悲しい思いじゃないことを願わずにはいられないよ。
< 191 / 265 >

この作品をシェア

pagetop