チューリップ




「リュウ、かっこいいねー。」


「うん、本当によかったよ!」


「うんうん。」





って…



「陽介君!!」




リュウ達を真剣に見過ぎてたのか、後ろにはいつの間にか制服姿の陽介君が立っていた。




陽介君はにんまりと笑って私を見た後、再びリュウに視線を移した。




「まさかまたあんな姿が見れるなんてね。



梨華ちゃんが来る前には思いもしなかった。」



「私は何もしてないよ。



リュウがちゃんと自分と向き合ったから。


嫌な思い出から逃げることをやめたから。



それに陽介君がずっとリュウのそばにいてくれたからだよ。」





陽介君は微笑んでから首を振った。




「チューリップ、梨華ちゃんが育ててるんでしょ?」


「うん!」




私たちの隣には赤、黄色、白のチューリップが空を向いて並んでいる。


実は7月の間、私は花壇の栽培当番になった。
もともと花が好きだった私はそこにチューリップを植えた。




「チューリップってね、いつも上向いてるじゃない?見てると元気になるの。



それにね、まるで私を表しているみたいなんだ。」



陽介君は首を傾げる。




「チューリップの花言葉…



知ってる?」
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