ピュア恋、始めました。
『へ??????』
私の初合コンの舞台であるカラオケに着いたとたん私はとても間抜けな声を出してしまった。
だって、合コン相手の中に高校の同級生がいたんだからそれは驚くに決まってる。
「よーし!全員揃ったし部屋に行こっか!!」
幹事であろう男の人が先導して部屋に向かう。
チラチラと隣で歩く同級生を見る。
うん、やっぱり……そうだよね…??
「あの……黒木くん…だよね??」
一番後ろを歩いているおかげで声をかけることができた。
かなり勇気絞ったけれど。
私が声をかけると、
「……白崎?」
「そうだよ!!白崎みゆり!覚えててくれたんだ〜」
よかった!
人違いではなかった!!
教室で空気みたいだった私のことを覚えててくれたなんて!!!
素直に嬉しい!
「だって2年間同じクラスだったし」
聞き覚えのある声で黒木くんはそう言った。
まあ、ソウデスヨネ~
黒木 俊。
高校の時に2年間同じクラスだった。
サッカー部に所属していて、ほっそりとして身長も高くて、塩顔系のさっぱりした顔立ちで密かにクラスの女子に人気だった。
地味で控えめな私とは住む世界の違う人だ。
しかし、他の男子と違ってギャーギャー騒いだり悪口を言ったりする人ではなかった。
どちらかというと、落ち着いてる雰囲気の漂う絶対いじわるとかしないタイプ。
それともう一つ他の男子とは決定的に違うところは、女子と話さないところだ。
そこがまた女子からの人気に火をつける要素だった。