溺甘プレジデント～一途な社長の強引プロポーズ～

「私自身を疑わしく思う方は、遠慮なく何でも聞いてください。この会社の在り方に不安や疑問を感じる方は、是非私に伝えてください。皆さんが快適に過ごせる環境を整えるのも、皆さんの毎日やご家族の生活を守るのも、私の仕事です。

　もう辞めたいとか、今の仕事内容、待遇に不満があれば、いつでも耳を傾けてきたつもりです。それはこれからも変わりません。

　今年入社された方も、起業当初から力を貸してくれた仲間たちも、１人として欠けてほしいと思う人はいないとだけ、伝えさせていただきます」


　社長の言葉に、胸が熱くなった。
　誰よりも会社と社員を大切にして、自分が矢面に立つことを厭わない人が、この会社のトップでよかった。当たり前のことと思うけど、責任を負いたくないからと部下を駒のように動かして事を収める、名ばかりの経営者は腐るほどいる。



　配信が終わると、誰からともなく思いを新たにした様子で動き出した。

　この会社のために、社長のために……。
　社長が私たちを守ってくれるなら、私が社長を守ってあげたい。