溺甘プレジデント~一途な社長の強引プロポーズ~


「ほら、早く」

「急かさないでください」

 微かに震える指先で、小さなシェルボタンを1つ外した。


 シャツがはらりと開き、さらに彼の胸元があらわになる。
 とうとう耐えられなくなって、私は俯いてしまった。


 頬が熱い。
 鼓動が全身を駆け巡る。

 彼は容易く私の顎先を操り、再び深くキスを落としてきた。


 舌が絡められ、吐息が混じる。
 そっとまぶたを開けると、彼は真っ直ぐ私を見つめ続けていた。



「……今夜は随分と煽るね」

 彼は私の手を取って、自分の胸元に忍ばせた。


 じかに触れた彼の素肌に、指先から緊張で縛られていく。そこから何もできなくなった私を見かねたのか、彼は焦れったそうに私の唇を食んだ。


 どっちが煽ってるのよ。
 私はただ会いたかっただけで……構ってほしかっただけで。



「もう、ダメ……です」

「何がダメなのか言ってよ」

「立っていられなくなりそう……っ!?」


 突然身体が傾き、彼の腕がしっかりと私を抱き上げている。


「時間切れ。今夜は千夏が欲しい」


 応接ソファに横たえられると、彼は私に影を落とした。



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