溺甘プレジデント~一途な社長の強引プロポーズ~


「どうしたの?美味しくなかった?」

 フォークを持つ手を止めている彼女を覗き込む。
 その表情は、とりあえず楽しそうではない。

 どちらかというと、困惑しているような……。



「いえ、とても美味しいです。こういうところで食べるのが久しぶりっていうか」

「あぁ、やっぱりもっと良い所のほうが口に合う?」

「違うんです!」


 慌てて否定した彼女の勢いにいささか驚いた。
 見つめるその瞳が揺れていて、俺の気持ちが試される。


 この子を諦めていいのか。
 本当に、もう終わりにできるのか。

 明日から、社長と社員の関係に戻れるのか。


 一目でも彼女を見ただけで、嬉しいと思わずにやっていけるか。


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