溺甘プレジデント~一途な社長の強引プロポーズ~

 私が桃園社長と交際を始めたら、きっと周りは揶揄するに決まっている。
 お金目当てだとか何とか、他人の恋を斜めから見て批評するのが好きだからだ。

 知り合った人が偶然そうだっただけで、私はそんなつもりでいたわけじゃないと言っても、世間は認めてくれない人が大多数だったりする。


 そう思うのは、今日も広報部のデスクのあちこちに鎮座する鳥さんのせい。

 私が飾っているものと、周りが持っているものは贈り主が違う。
 もちろんここまで来てそれを打ち明けようとは思わないけれど、社長との関係を疑われるような事態になっていたとしたら、それだってお金目当てだとか何とか言われると思ったからだ。


 周りの評価に左右される方ではないけれど、恋愛くらいは周囲に応援されるような関係がいい。


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