溺甘プレジデント~一途な社長の強引プロポーズ~
夕方、外出から戻ってきたその足で社長が広報部に入ってきた。
「掲載、止めなくていいですから。このまま載せてください」
ここにいる誰もが、掲載しないように調整するものだとばかり思っていたから、驚きで言葉が続かない。
「逆手にとった話題作りをしようと思います。この会社はあまりにもクリーンなイメージばかりでしたからね。親近感を持ってもらうにはちょうどいい。ただ、内容はもう少し控えめに書いていただくように調整して下さい。事実と異なるのに載せていいなんて例外でしょうけど」
全く動揺していない様子の社長が、先輩のデスクに加筆修正の内容を記した記事のコピーを置いた。
社長と交際記事が載ってしまった私への疑いは、なんとか当日中に払拭できたけれど……桃園社長と結婚秒読みと噂されたまま。
社長は一体何を考えているのだろう。