溺甘プレジデント~一途な社長の強引プロポーズ~
「今日、このタイミングで誘い出したのは、返事が欲しいからです。葛城社長に、本当に横取りされてしまったのかと」
「……社長とは、本当に何も」
「分かっていますよ。指輪は私が贈ったものなんですから」
「社内では、私が弁解するのに指輪を桃園さんからいただいたとお話してしまったので、おつき合いが始まっていると思われてしまっているんです……。すみません、勝手なことを」
「順番は違ってしまいましたが、私は構いません」
余裕たっぷりの笑みを浮かべ、彼は箸を置いた。
「結婚の話ができるような未来に向かって、まずはおつき合いしていただけませんか?」
今の私が、彼と釣り合っているとは思えない。
だけど、この気持ちを叶えるにはちゃんと向きあっていく時間が必要なんだと思う。
彼の隣が似合う女性になれるよう、一層この人を知りたい。
――私を知ってほしい。
「実は桃園さんといると、少し緊張しちゃうんです。でも、一緒にいると心地よくて。それってきっと大切に想ってるからじゃないかなって……つまり、その……是非よろしくお願いします」
答えを聞いた彼は、目尻に相応しい皺を寄せ、顔いっぱいに笑みを広げた。