大悪魔さんのターゲット。
彼女は俺の頭を優しく撫でた。

「意地っ張りな悪魔さんですね。」

そう言って何度も何度も頭を撫でる。

「‥‥お、おれは‥‥

どうしたらいいのかなぁ‥‥?」

俺には相談相手が欲しかった。

「紅音くんって悩みなさそーだよね。」

「悩み事から一番遠そうな存在。」

そう言われてきたから、誰にも相談できなかった。でも、初めて本当の事を言える人を見つけたと思って、彼女にみっともない所を見せてしまってると思う。

「私は答えを言えません。」

「‥‥」

「見つけるのは自分ですよ。紅音くん。あなたはどうしたいんですか?

本当に瑞月さんであなたは幸せなの?

その女の子との方が幸せになれるんじゃないの?」

ー悪魔は多分幸せは求めては行けないんだよ

心の囁きが俺の答えを紛らわす。

「欲しいものを手に入れる。」

「‥‥!」

「それが悪魔なんじゃないですか?」
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