呆れるほどに不器用な恋を、貴方と。
「お前さ、車変えてたろ?部屋も引っ越してたし。彼女の荷物とかどうしてるわけ?送ったの?」
「いやいや、航大君。そんなときは『捨てといて』がセオリーですよ?」
「そうなのか?西園寺は言われる機会が多そうだな」
「まぁなー」
うひゃひゃひゃひゃ。
言い忘れたが、航大は既婚者だ。
高校時代の彼女のみちるさんと10年付き合って結婚。
まぁ俺とも10も離れてるし、普通なんだけど一途に彼女だけを愛してゲロ甘な夫婦だ。
幸せそうなみちるさんを見続けて、あんな風に央との未来を夢見た事もある。
願った未来は同じだったはずなのに、何処で道はスレ違っていたんだろう。
「ない」
「「は?」」
だからハモるなって。
「だから、俺の車に乗せる暇も無かったし、部屋に呼んだことも無い」
「「はぁぁぁぁ?」」
どんだけ仲良しだよ。
イラつく。
「あのさ、何処で会ってたわけ?」
「彼女んち。ここから近かったから」
「近、かった?」
「…………引っ越されてた」
「「・・・・・」」
何だよ。
黙るなよ。