呆れるほどに不器用な恋を、貴方と。


「へぇ。じゃあさ、紹介してよ友達?」

「西園寺、時間いいのか?」

「えーーせっかくこんな可愛いこと知り合えると思ったのに」

「早く行けよ」

「はいはい。すみませんね邪魔して」

「アホか……「あ、あの!ゆうっ、さ、桜木さん。今日早番だったんです!ごめんなさい、もう行きます!」


聞いていられなかった。
彼らの会話も聞こえてこなかった。

頭のなかが真っ白で。
雄大の否定の言葉がこだまする。


雄大の同僚の人に変に思われたかもしれない。
挨拶も出来ない女だと思われたかもしれない。

雄大も、こんな彼女が嫌だったのかもしれない。

自分を否定する事しかできなくて。

その場から逃げ出した。



答えはこの時に出ていたのかもしれない。


< 50 / 134 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop