呆れるほどに不器用な恋を、貴方と。
少し頬を緩めながらケーキを取り出すとなっちゃんが食い入るように見つめてきた。
「ねぇ、ここってケーキあったの?」
「うん、マスターが気まぐれで焼いてくるからいつもあるわけじゃないんだけどね」
「私も食べたい!まだある?」
「うん、後一切れ残ってるよ。良かったね。待ってて、これ先に持っていってくる」
やった!なんて嬉しそうに喜ぶなっちゃんは本当に可愛い。
これでママなんだもんなー。
「お待たせしました」
小指を先に入れてなるだけ音を鳴らさないようにテーブルに置く。
何となく視線を感じてケーキを注文したお客様の方を向くと目があった。
ん?
「ねぇ、お姉さん。何処かで会ったことない?」
「はい?」
「アホかっ!ベタなナンパするなよ」
「イッ、」
パコン!と軽快な音をたてて頭をはたかれていた。
「ふふふ。そうですか?」
「いやナンパとかじゃなくてマジで。あっれーどこでだっけなー」