呆れるほどに不器用な恋を、貴方と。
「はっ?女と?」
コクン、と頷いて雄大を押し退けて助手席から出た。
「やっぱり帰る」
「おい、ヒロ!待てって!ここに女なんか連れてきたこと無いって」
「なんでそんな嘘つくの?だって、私見たもん。夏、女の人と二人で入っていってた。私そこの公園で見てたもん、」
そこまで言って、視界が滲んできたのが分かった。
ぽろり、と1度流れてしまえば止めどなく溢れてきて。
あぁ、駄目だ。
やっぱり堪えられない。
「夏?えっ、見てたって……」
「そこの公園、昔から好きだったの。久しぶりに思い出して来たの。そしたら雄大と綺麗な女の人が腕を持ちながら歩いてきて、入っていった」
「夏……夏?!!!!!違う!それは年の離れた従姉だよ!身内。あいつはああ見えて50前だから!」
「嘘だ!」
「本当だって、ちゃんと話すから。従姉のことも言うから。頼む、聞いてくれ」
逃げ出そうとする私の腕を引き寄せ、抱き締められた。
変わらない雄大の香水。
好きだったこの匂いも、抱き締めるこの腕も、頭から聞こえる雄大の声も。
胸が震えて涙が止まらない。
なんでこんなに好きなんだろう。