本当の君を好きになる

その声に、二人して振り返る。そして、凪沙が固まるのが分かった。


「こ、こ、こ、幸坂くんっ……!!」

そこには、笑顔の直登が立っていた。

凪沙がプルプルと震えているのが分かる。

今日は、逃げないだけ成長してるか。



「凪沙、ちゃんと息吸って?」



私は、凪沙の背中をポンポンと叩く。
そして、今朝の事を思い出すと、


「あ、幸坂くん、今日は一緒に帰らないから。」


と、伝える。

その瞬間、直登の表情が変わるのが分かった。



「……どうして?」



「んー……ちょっと外せない用事が出来たっていうか、先約が入ったっていうか~……。」



「……ふーん……?そうなのかぁ~……。」



直登のその口調から、イライラが伝わってくる。

ん?これは、ちょっとヤバイ感じじゃないですか?

このままイライラしてると、素の直登が出てくるのでは……?




「分かった!じゃあ、また後でね!」



私の心配をよそに、直登はそのまま席に戻っていった。

そして、いつもと変わらず皆でお弁当を食べ始める。


何だ。私の心配しすぎか。


私は、凪沙を介抱しつつ、またお弁当を食べ始めた。



< 17 / 308 >

この作品をシェア

pagetop