本当の君を好きになる
その声に、二人して振り返る。そして、凪沙が固まるのが分かった。
「こ、こ、こ、幸坂くんっ……!!」
そこには、笑顔の直登が立っていた。
凪沙がプルプルと震えているのが分かる。
今日は、逃げないだけ成長してるか。
「凪沙、ちゃんと息吸って?」
私は、凪沙の背中をポンポンと叩く。
そして、今朝の事を思い出すと、
「あ、幸坂くん、今日は一緒に帰らないから。」
と、伝える。
その瞬間、直登の表情が変わるのが分かった。
「……どうして?」
「んー……ちょっと外せない用事が出来たっていうか、先約が入ったっていうか~……。」
「……ふーん……?そうなのかぁ~……。」
直登のその口調から、イライラが伝わってくる。
ん?これは、ちょっとヤバイ感じじゃないですか?
このままイライラしてると、素の直登が出てくるのでは……?
「分かった!じゃあ、また後でね!」
私の心配をよそに、直登はそのまま席に戻っていった。
そして、いつもと変わらず皆でお弁当を食べ始める。
何だ。私の心配しすぎか。
私は、凪沙を介抱しつつ、またお弁当を食べ始めた。