本当の君を好きになる


***






壇上では、新入生代表が挨拶をしている。


あ、いつの間にか湊くんの挨拶終わっちゃったんだ。


聞いてなかったとか言ったら、すごく怒られそうだな……。




あの日から、私は直登と一言も口を聞いていない。


今での、仲の良かった頃、付き合っていた頃が嘘のようだ。



あんな喧嘩は初めてだった。

それもそうだよね。

私が、ものすごく勝手だったから。

仕方ないよ。



でも、謝るなんて出来なかった。

悪いとは思っていても、「ごめん」の一言がどうしても言えなかった。


また、いつか話せる時が来る。

また笑い合える日が来る。

そんな日を、前みたいに神様が用意してくれる……そう思っていたのに……。




ポタッ。



手の甲に、涙が一粒溢れ落ちる。




神様。

どうして、私たちの仲を戻してくれないんですか?



私たちは、切っても切れない関係なんじゃないんですか?



私は……





──過去の綺麗な思い出にすがるしかないんですか?





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