本当の君を好きになる
「だからね、湊が心配することなんて何もないのよ。あなたの人生はまだまだこれから。おばあちゃんは、もう人生の半分以上は生きてるから、後は自分の為じゃなくて、あなたたちのために生きたいのよ。」
「……ばあちゃん。」
「おばあちゃんにとって、あなたたちは宝物よ。二人の笑顔や幸せが、私にとっての幸せなの。やりたいことをやりなさい。……もし、それでも、就職したいっていうなら……」
そう言って、祖母は棚を漁り始める。
そこからあるものを取り出し、手渡してきた。
それを受け取り、俺は固まる。
「……これを持っていきなさい。」
「……これって……。」
中身を確認してから、更に固まる。
「どういう事っ……?どこにこんなお金が……?」
祖母が渡してくれたのは通帳だった。
そこには俺の名前が記されている。
「おばあちゃんが毎月ちょっとずつためてたの……って言いたいところだけど……それはあなたの父親から貰ったものよ。」
「……へ?」
「もし、湊が就職する時にはこの通帳を渡してやってくれって言われてね。ずっと預かっていたの。」
「……父さんが……?」
「1ヶ月前くらいだったかしら?その時に貰ってね。私も湊も、あの人の事勘違いしてたみたいね。」
混乱する頭。
でも、この通帳を見ると父の思いがたくさん詰まっているとしか思えなかった。