本当の君を好きになる
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「──え?桐谷のところに?」
「うん。荷物置いたらすぐに行っちゃったよ?」
少し目を離した隙に、可鈴は桐谷のところへ行ってしまったらしい。
……何か、別れてから桐谷と仲良くなってないか?
少し気になったので、二人がいるであろう空き教室へと向かった。
それにしても、昨日はあっという間に寝ちゃったけど、可鈴はどんな気持ちでいたんだろうか?
俺の気持ちを知って迷惑した?
それとも、驚きで何も言えなかった?
アイツにも好きな人がいるって事は分かった。
それが誰かは分からないけど、俺の気持ちは伝えた。
あとは、可鈴の返事を待つだけだ。
覚悟を決めよう。
空き教室に辿り着くと、二人の声が聞こえた。
俺は、入り口近くから、二人の声に耳を澄ます。
「──あのね……最近になって分かったの。」
聞こえてきたのは、可鈴の声。
その声は、心なしか少し震えている様子だった。
その声に、俺も緊張感が高まる。