本当の君を好きになる

***




「──え?桐谷のところに?」



「うん。荷物置いたらすぐに行っちゃったよ?」



少し目を離した隙に、可鈴は桐谷のところへ行ってしまったらしい。

……何か、別れてから桐谷と仲良くなってないか?

少し気になったので、二人がいるであろう空き教室へと向かった。




それにしても、昨日はあっという間に寝ちゃったけど、可鈴はどんな気持ちでいたんだろうか?

俺の気持ちを知って迷惑した?

それとも、驚きで何も言えなかった?




アイツにも好きな人がいるって事は分かった。

それが誰かは分からないけど、俺の気持ちは伝えた。

あとは、可鈴の返事を待つだけだ。

覚悟を決めよう。




空き教室に辿り着くと、二人の声が聞こえた。

俺は、入り口近くから、二人の声に耳を澄ます。





「──あのね……最近になって分かったの。」




聞こえてきたのは、可鈴の声。

その声は、心なしか少し震えている様子だった。



その声に、俺も緊張感が高まる。




< 79 / 308 >

この作品をシェア

pagetop