今夜、きみを迎えに行く。
課題3、③、台所の掃除をする。
シュウとの約束通り、朝と同じように食べた食器は自分で洗い、ついでに父親が食べたぶんも洗った。
残るは台所の掃除。
食事が終わったあとの片付けを、母親と一緒にする。テーブルを拭いたり、鍋やフライパンを洗ったり、サラダボウルをしまったり、食器洗いが終わったら、排水口の掃除もした。
「家事って、たいへんなんだね…」
母親の手伝いをしながら呟くと、母親は笑う。
「当たり前でしょ。まあ、お母さんも家事はあまり得意じゃないんだけどね。おばあちゃんが全部やってくれて、お母さんは仕事して帰ってくるだけでよかったから」
「おばあちゃんって、すごいね」
「そうね、お母さんも、そう思う」
母親は、洗った食器を拭き終わると「おばあちゃんの様子を見てくるわね」と言って部屋を出ていく。
残されたわたしは慣れないなりに、ひとりで拭き上がった食器やスプーン、フォークなんかを食器棚にしまっていく。
「これは、どこに入れるんだろ」
サラダをつかんで盛り付けるやつ。わたしは名前がわからないけれど、それをしまう場所が解らない。
祖母に食事を食べさせている母親は、多分しばらく戻って来ない。
いろんな棚や引き出しを開けたり閉じたりしていると、花柄の表紙のノートばかりが何冊も入っている引き出しを見つけた。
「…ん、なんだこれ」
その中の一冊を手に取ってみる。パラパラと開いて中を見ると、日付と一緒に何行かメモやその日あったことなどが書かれている。
何冊も、引き出しの中に詰めこまれたそれは、母親の日記のようなものだった。