こっち向いて、ダーリン。【改訂版】

「ダーリン、行こ！」

「──っ！てめえ、勘違いすんじゃねぇぞ！」


まっ！そんな念を押すことないじゃないの！あんまり言われたら、わたしだって傷つく時もあるんだから！


「とかなんとか言って、本当はちょっとくらいわたしに気が向いたり」

「しねぇ！」

「ひっど…！即答しなくてもいいじゃない！」

「うるっせぇ！俺はお前なんか何とも思ってねぇからな！」

「じゃあどうしてやきもちやいたの？！」

「やっ…？！だからんなもん知らね…」

「おめーら早く行くぞ！」


教室の外から緑川くんの声が聞こえる。

言い合いしてられる状況じゃないんだったわ。


「今行く！ほら、ダーリ…」

「やっぱりお前はタラシだな」

「へ？」


た、たらし？

仏頂面で何を言うかと思えば、タラシって、お兄さん。


「男なら誰でもいいんだろ」

「な、何がどうやったらそういった発想になるんですかね」

「…なんか知んねぇけどすげぇムカつく」

「はい？」


全くもって意味不明。なんだか拗ねてるようにも見えるのですが、なぜにわたしはムカつかれているのでしょうか。