こっち向いて、ダーリン。【改訂版】
「いいからとっとと行け。俺は後で行く」

「え、どうして?一緒に行こうよ」

「やることあんだよ。先行け」

「やること?ここで?一体なにを」

「うるっせぇな!一服すんだよ!」

「あっ、はーい。わかりましたー。ではお先に~」


それならそうと始めから言えばいいのに。と思いながらふてくされた顔で教室から出ると、廊下の向こうに三人がいるのを見つける。


「お待たせ~!」

「いちゃついてんじゃねーよ」


──い?!


「はあ?!いちゃついてたのか?!」

「ちょっと緑川くん…。金沢くんが本気にしちゃうから、冗談は遠慮してもらえます?」

「じゅーぶんいちゃついてただろーが」

「咲良ー!」

「あのねー、本当にいちゃついてたら教室から出てきませんよ」


緑川くんったら、深瀬くんだけじゃなく金沢くんでまで遊ぼうとするなんて。

いちゃつくどころかすげぇムカつかれたんですがね。

そのニヤニヤした顔が小憎たらしいわ。


「てことは、いちゃついてなかったってことだな!勘違いだ樹!」

「お前は幸せな奴だな~」

「んで、深瀬は?」

「一服してから来るって」

「ならさっさと行こうぜ」

「うん!」

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