完璧な彼は、溺愛ダーリン
「葛木さん。ごめんなさい。
私、やっぱり栞とちゃんと話します。
それから連絡してもいいですか」
「え」
葛木さんはぴくりと眉を動かす。何か言われる前に釘を差す様に続けた。
「私、栞も大事なんです。
わかってもらえるか、わからないけど……それでもこのまま葛木さんと連絡取る事は出来ません」
「……」
ただ黙って私の話を聞いている葛木さん。
私も彼が好きで、彼も私が好きで。
何も問題なんてないのに。
「実は、連絡先の書いてある名刺。結局捨てられなかったんですよ」
「っ」
そう私が情けなく笑って言うと、葛木さんは息を呑んだ。
「だから、どうなったとしても必ず連絡します」
「……必ず、だよ」
「はい」
「待ってるから。ずっと連絡くれるまで」
しっかりと手を握られ、そうやって力強く言われる。
葛木さんの事だ。きっとどこまでもいつまでも待ってくれそうだ。
もう逃げない。そう決めた。
別に栞だけじゃない。
……望くんにだって連絡しないといけない。
初めて出かけたのに、申し訳なさすぎる。
もしかしたら望くんは優しいから何も言わないかもしれない。
でも、それに甘えちゃいけない。
きちんと謝らないと。