完璧な彼は、溺愛ダーリン

「スパダリといつの間に仲良くなったの!」

「えっと……?」

「さっき、帰る時三石さんは?って聞かれたんだから!何で何で何で!」


栞はぶんぶんっと私の肩を前後に揺らす。
さっきのが見られたわけじゃないんだ。
私は揺られながら内心ホッとした。


「わかんないよ~!だって、私全然話した事ないよ?」

「知ってるよ!だから聞いてるのに」

「そんな事言われても」

「まさか睦実を狙っているとか」

「そ、そんなまさか」


デートって言われたけど。
でも、違うよね。……違う、よね。
……あんな素敵な人だ。変に自惚れたくないけど。


無自覚で言っているなら相当タチが悪い。
だからといって、確信犯で言っているのも困る。


「睦実はスパダリ興味ないもんね?」

「えっ、えっと、うん!」

「だよね。よかった。今度、スパダリをお誘いしてみよっかな」


ホッとした様に胸を撫で下ろす栞。
だから、私は尋ねてみた。


「栞、本気で葛木さんの事好きなの?」
< 16 / 189 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop