完璧な彼は、溺愛ダーリン
「って、言ったけど。実は昨日栞から連絡先ゲットしたって連絡来てた」
「はへっ?」
思わず、変なところから声が出た。
加藤君は私の声を聞いて吹き出す。
「何その声。ウケる。俺が言ったんだよ。連絡先聞いてみたら?って。
このままじゃ何も変わらないぞって脅して」
「な、何で?」
だって、加藤君は栞の事が好きなのに。
そんな栞の背中を押す様な真似。
「んー、玉砕して欲しかったからかな」
そう言うと、加藤君は私を見てゆるゆると口角を上げた。
「スパダリが栞を好きじゃないって思ってたしな。
寧ろ、三石のが好意あるんだろうなって」
「え?何でわかるの?」
「だって、あの人三石の時だけ受け取ってさっさと更衣室行っちゃうんだよね」
「……それの、どこがおかしいの?」
加藤君の言っている意図がわからなくて、私は首を傾げる。
鍵を受け取って更衣室に行くのは何もおかしくない。
そんなの、当たり前だと思うんだけど。
「違うよ。あの人必ず一言二言声をかけてくれるから」
「そういえば」
栞と二人の時は必ず葛木さんは話しかけていた。……栞に。