完璧な彼は、溺愛ダーリン
「って言っても、今すぐじゃなくていいから。
初めて会ったばかりだし、ゆっくり考えて欲しいかなって」
「からかってない、よね」
「あはは、嘘のわけないじゃん。俺そんな軽そうに見える?」
「……見えません」
会ったのは今日が初めてだし、ほんの少ししか一緒にいないけど彼が誠実なのだろうって事は伝わって来た。
冗談で言うようなタイプにも見えない。
「ならよかった。これだけは今日どうしても言いたかったから」
「そうなの?」
「メールで言う事でもないしね。直接言いたかったし」
「……」
私は俯いて口を噤む。その時、店員さんがお酒と前菜を持ってきてテーブルに置いて行った。
それに望くんが愛想良く対応する。
望くんは私と付き合いたいって思ってくれているの? 本当に?
嬉しいはずなのに、どうしてこんなにモヤモヤとしているのだろう。
こんな人と付き合えたら幸せだろうなって思っていた。
前向きに考えたらいいだけだ。
会ってからも、嫌な気持ちになんか一切なってなくて、話しやすいし、一緒にいて凄く凄く楽しい。
今すぐ答えを出さなきゃいけないわけじゃない。
わかっている。
なのに、どうしてだろう。
頭の中に彼がさっきからちらちらと顔を見せて来る。
……葛木さんの顔が。