死神女子高生!
死神なんてお断り
真剣な幽霊さんには悪いけど……意味が分からない。

大体、幽霊って元から死んでるのに、どうやって殺すと言うんだ。
趣味か?まさかMなのか?
あたしは思い切り不信感あらわな視線を注ぐ。
しかし、あたしのこの態度も分かっていたことのように、彼は小さく笑った。

「おかしなことを言う、とお思いでしょう」
「うーん…あたしとしては、むしろあなたがおかしい人に見えますよ」
「……意外とヒドい人ですね、あなた」

幽霊は若干傷ついた表情できれいに整っている眉を歪めた。
そんな顔をしても格好良い彼を見ていると、世の中はなかなか不公平なものだと思ってしまう。
でも、見た感じかなり若そうな人だから、きっと幸は薄い。そう考えると不公平じゃない気もした。

幽霊さんは一つ空咳をして話を続ける。

「僕は気の遠くなるような昔から、ずっとあの柳の木の下にいました」
「そりゃまたお約束な…」
「まあ、僕も古い幽霊ですから」

今時柳の下にいるお化けなんかほとんど居ませんね、と言って幽霊は懐かしげに目を細める。
昔、というのがいつを指すのかは分からないが、あたしのおじいちゃん達が生まれるよりもずっとずっと前なんだろうな、と何となく思った。
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