結婚したくてなにが悪い?!
柊真 Site

俺どうしちゃったんだ…
こんなに惹かれずにはいられないなんて…

女に求めるものは何も無かった。
恋愛なんてするつもりも無い。ましてや結婚なんてゴメンだ。女に縛られるのは母親だけで十分だ。
女なんて性欲の捌け口だけでいいと思ってた。

彼女の印象は最悪だった。
俺も人の事言えたもんじゃないが、ホテルマンとして失格だろ…?
いくら勤務時間外と言っても、自分の勤務するホテルの屋上で酒を飲んでるなんて、ありえねぇ。
接客業は信頼が一番だと言うのに、彼女はその信頼を崩しかねない事をしていた。

だが、そんな彼女はホテルの仕事は好きだと言う。それは仕事ぶりにも現れている。仕事をしてる彼女を見ていると、屋上で酒を飲んで叫んでいた女とは別人の様に思える。

インカムから流れて来た生田とのやり取り、そして、小野さんとのやり取りで知った、後輩のミスを自分のミスだと上に報告する責任感。

たまたま社食で耳にしていた彼女の誕生日、ゴミまみれになった労いの気持ちもあり、誕生日の祝だと出したカクテルも、奢られるのは嫌だと言った。俺の策士を喜ばない女は初めてだった。

勝ち気で、可愛げの無い女。
後輩のミスを、自分のミスだと躊躇なく頭を下げる女。

仲間のちょっとした体調の変化も見逃さず、
自分の心も体もボロボロでも、決して表に出さない。あいつは馬鹿だ!

もっと誰かに頼ればいいのに
もっと肩の力を抜けばいいのに
生田が好きなら…生田に頼ればいい…
生田に弱いお前を…見せて…やれよ…
本当のおまえを…

生田の事を好きだと思っていたのに、プロポーズは受けないという。
何故だ?
結婚する事が…
家族を作る事が、お前の願ってる幸せじゃ無いのか?




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